これまでに読んできた本のことなど その1

斎藤茂吉ノート」と題して,これから茂吉についての連載をはじめようと思う。
 第1回目は『赤光(しゃっこう)』。
 ぼくが斎藤茂吉という歌人を知ったのは,大学の1年生の時である。
 どういうわけで知ったかというと,息子である北杜夫さんの『どくとるマンボウ青春記』でその名に触れたのである。
 北さんは,茂吉の次男。
 有名歌人の息子として生まれて,その学生時代に父の偉大な歌に触れ,尊敬もし,あるときは反発もしというようなことを,茂吉の短歌を紹介しながら,書き記したのが『どくとるマンボウ青春記』である。

 その中で紹介されているのが,多くは『赤光』『あらたま』といった初期の短歌と『寒雲』『暁紅』あたりから引用されている。
 今,『どくとるマンボウ青春期』が書棚に紛れて見つからないのでその中から引用はできないのだけれど,まさにぼくにとって茂吉への目を,そして短歌への目を開かせてくれたのがこの『

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

どくとるマンボウ青春記 (新潮文庫)

』だったのである。


赤光 (岩波文庫)

赤光 (岩波文庫)