今日のニュース(荒川金メダル)

 トリノ冬季五輪第14日の23日、フィギュアスケートは女子フリーがあり、荒川静香が圧巻の演技で191.34で優勝、村主も実力を発揮し175.23で4位、安藤は4回転ジャンプで転倒し140.20で15位だった。サーシャ・コーエン(米国)もジャンプの転倒が響き183.36で2位だった。イリーナ・スルツカヤ(ロシア)はジャンプの転倒があり181.44で3位に沈んだ。【野口美恵】
 荒川は、得点が表示されると、涙が目からあふれそうになった。ショート、フリーともに自己ベストを更新。冒頭の3回転−2回転ジャンプを難なく成功すると波に乗った。圧巻だったのは後半のイナ・バウアーから3回転−2回転−2回転の3連続ジャンプ。さらにドーナツスピン、Y字スピン、ビールマンスピンなど多彩なスピンで技巧力を見せた。
 ショートプログラムでは少し揺れた手放しY字スパイラルも安定。ステップも深いエッジワークで、大きく体を使いながらリンクを舞った。演技を終えたポーズからしばらく動けなかった荒川。会場と一体となってつむいだプッチーニの歌劇「トゥーランドット」の調べに酔いしれていた。
 村主も力を出し切った。最初の3回転−2回転の連続ジャンプを慎重に着氷し成功。序盤からスピードに乗り、感情をこめて体を大きく動かし演技した。最後の高速スピンは圧巻で、会場と一体になった。
 途中、回転不足のジャンプがあったため、予想より得点が出なかった村主。得点を見ると、一瞬、残念そうな表情をしたが、それでも大舞台で大きなミスなく力を発揮した村主の迫真の演技に、会場から万感の拍手が送られた。
 安藤は、序盤に4回転サルコウに挑戦。回転軸は良かったが、回転不足で転倒した。「練習中はプログラムに4回転ジャンプをいれず、不安があった。本番では攻めてやりたいと思っていた」と振り返る。続く3回転連続ジャンプは3回転−2回転でなんとかこらえたが、1分半過ぎからスピードががくりとダウン。安藤の持ち味のキレと高さのあるジャンプは見られず、7つのジャンプのうち5つで大きなミスが連続し、精細に欠いた。
 初の五輪。滑り始める前から表情は硬く、まだ慣れぬ「蝶々夫人」の曲に体がついていかなかった。しかし重圧のなか、練習でも成功率が2割と低かった4回転ジャンプに挑戦したことは大きい。「4回転にトライできて素敵な思い出です」と安藤。これからの大きな糧になったはずだ。【野口美恵】

[ 2月24日 9時8分 更新 ]