奈良へ行って来ようと思う

「用事がなければどこへも行ってはいけないといふわけはない。なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思ふ。」この文章は我が愛する内田百間さんの『阿房列車(あほうれっしゃ)』という随筆の冒頭の文章だ。
 というわけで、今月26日、27日に奈良、京都へ一人で行くことにした。
 新幹線でいくと思われるだろうが、別段、用事があって、急ぐ旅ではないのだから、断然普通列車でいく。ぼちぼちがいい。
 行ってどこへ行くというものもないから、予定というものもない。
 ただ、カメラを担いでいくので、何かを撮るということはあるかも知れない。
 行きたいという場所はある。
 奈良でいうと、法隆寺室生寺唐招提寺、できれば志賀直哉旧邸。
 京都でいうと、一澤帆布銀閣寺。
 でもそこへ行かなければならないと思い始めると、縛られるので、行って考えることとする。