第三阿房列車

 帰宅すると、amazonで購入した『第三阿房列車』(内田百間:著 旺文社文庫)が届いていた。
 ここのところ僕のマイ・ブームである百間先生の本である。
 その本の冒頭。
 「長崎へ行かふと思ふ。行つても長崎に用事はないが、用事の有る無しに拘わらず、どこかへ行くといふ事は、用事に似てゐる。だから気ぜはしないる」
 実に簡潔でいい。
 この文章の模倣ではないけれど、僕の事を記すと、
 「京都、奈良へ行つて来ようと思ふ。別段、用事があつて行くといふ訳ではない。暇と行つて見よふかなといふ気持ちがわいたからである。行きたいと思ふところはないではない。でも、あらかじめ此処へ行くといふことを考えると縛られてしまふので、行つてから考えやふと思ふ。」というところか。
 という訳で、26日、27日に、用事のない旅に行ってこようと思う。

第三阿房列車 (新潮文庫)

第三阿房列車 (新潮文庫)